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夢とこころの古層


河合 俊雄 著

単行本 ¥2,640

刊行年月日:2023/04/03
ISBN:978-4-422-11808-6
定価:2,640円(税込)
判型:A5判 210mm × 148mm
造本:並製
頁数:264頁

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内容紹介

 私たちの誰もが夜夢を見る。そして夢では、空を飛んだり、亡くなった人に出会ったり、動物になったりと、現実の世界からみれば荒唐無稽で非合理だとみなされることがたびたび起こる。それゆえ、通常私たちは、夜見た夢を自身の現実と直接結び付けては考えない。
 しかし、心理療法家である著者は、セラピーの場で、クライエントの夢が直接的なリアリティをもつことをたびたび経験してきた。ことに、現実の大きな変化や、身体の変化、死との関わりが問題になるときなどには、夢と現実が交錯するような直接性の次元が現れてくることがあるという。
 それはいったい、どうしてなのだろうか?

 そもそも、夢はなぜ私たちを訪れるのか?
 どこから生まれてくるのか?
 そこで起こる非合理な事象は、日常を生きる私たちにとって、どのような意味をもつのか?
 また、なぜ心理療法の場では、象徴的理解では捉えきれない直接的なリアリティをもった夢が語られるのだろうか?

 古来、わが国には、説話や物語、神話などに、夢に関する記述が数多くみられる。かつて夢は人びとにとっては現実であり、夢のお告げは日々の行動の指針となるなど、大きな影響力をもっていた。
 心理療法の場で語られるような象徴性を超えるリアリティをもつ夢を理解するには、こうした象徴が生まれる以前の、つまり前近代の「こころの古層」にその手がかりがあるかもしれない。そして、それを探ることによって、私たちの「こころ」そのものについての理解も深まるかもしれない。

 ユング派分析家でもある著者が、夢に関する多くの文献や心理療法の中で語られる夢の事例などを駆使しつつ、私たちの無意識の中に眠る「こころの古層」を手がかりに、夢のもつ意味をさまざまな角度から考察し読み解こうとしたのが本書である。

 深層心理を扱う心理療法家だけでなく、広く夢に関心をもつすべての人たちにも本書をお薦めしたい。
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目次

はじめに

第1章 心理療法と夢

1.夢と見立て 
2.夢の変化とこころの回復と変化 
3.夢と語り 
4.心理療法以外のコンテクストでの夢 
5.夢の共有と理解

第2章 現代の夢理論──夢と象徴性

1.フロイトの夢理論──願望と歪曲
2.夢作業──圧縮と移動 
3.夢と言語
4.精神分析における新しい夢理論 
5.ユングと夢イメージそのもの
6.夢と象徴性
7.象徴性からイメージそのものへ

第3章 現代の夢とこころの古層
1.イメージの内容としてのこころの古層──象徴
2.こころの様式としてのこころの古層──内面性 
3.こころの外と夢
4.夢の私の揺らぎとこころの古層 
5.文化的差異とこころの古層

第4章 夢の歴史性
1.ヨーロッパ古代における夢
2.ヨーロッパにおける夢の歴史 
3.中国における夢の歴史
4.日本古代における夢 
5.中世以降の日本の夢の歴史
6.近世以降の夢と地域差

第5章 こころの古層とイニシエーション
1.古代における夢とイニシエーション 
2.シャーマンのイニシエーションと夢・ヴィジョン 
3.ユングとイニシエーションの否定
4.西洋におけるイニシエーションの喪失 
5.心理療法における夢とイニシエーション
6.否定とイニシエーションなきイニシエーション
7.境界の喪失


第6章 夢と直接性・共時性
1.フロイトと歪みのない夢
2.夢と現実的なもの
3.ユングにおける客観段階と直接性
4.共時性と直接性
5.コンステレーションと直接性
6.直接性と共有

第7章 直接性の両面
1.直接性の二面──象徴性の欠如と超越
2.象徴性の欠如の病理1──発達障害
3.象徴性の欠如の病理2──トラウマ
4.象徴性の欠如の病理3──心身症・身体疾患
5.象徴性を超えた直接性
6.村上春樹と直接性

第8章 直接性と他者・現実性
1.夢から現実へ
2.直接的解決と直接性の回避
3.象徴性によって現実へ
4.インターフェースと共時性
5.触媒としてのセラピスト
6.占い

第9章 直接性と身体
1.身体疾患・心身症における直接性へのアプローチ
2.身体と直接性からの分離と否定
3.融合
4.結合と分離の結合
5.暴力性・エネルギー・垂直性
6.直接性と象徴性の境界と心身症のセラピー

第10章 直接性と死
1.訪れる死者
2.亡くなる人の出現
3.死者への負い目と約束
4.死者の鎮魂
5.死者との分離
6.死とつながり

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著者紹介

[著]河合 俊雄(カワイ トシオ)
1957年生まれ。臨床心理学者、ユング派分析家。京都大学大学院教育学研究科博士課程中退。Ph.D.(チューリッヒ大学、1987年)、ユング派分析家資格取得(1990年)。甲南大学助教授、京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻助教授(心理臨床学講座)、京都大学こころの未来研究センター教授・センター長を経て、現在、京都大学人と社会の未来研究院教授。IAAP(国際分析心理学会)会長、京都大学人と社会の未来研究院副院長などを歴任。著書に『概念の心理療法』(日本評論社)、『ユング派心理療法』『心理療法家がみた日本のこころ』(ミネルヴァ書房)、『村上春樹の「物語」』(新潮社)、『心理臨床の理論』(岩波書店)、『発達障害への心理療法的アプローチ』『ジオサイコロジー』(いずれも共著、創元社)などがある。

※著者紹介は書籍刊行時のものです。
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