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現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。
吉岡 乾 著
内容紹介
はやく日本に帰りたい。
ブルシャスキー語、ドマーキ語、コワール語、カラーシャ語、カティ語、シナー語、カシミーリー語……。
文字のない小さな言語を追って、パキスタン・インドの山奥へ――。
著者は国立民族学博物館に勤務するフィールド言語学者。パキスタンとインドの山奥で、ブルシャスキー語をはじめ、話者人口の少ない七つの言語を調査している。調査は現地で協力者を探すことに始まり、谷ごとに異なる言語を聞き取り、単語や諺を集め、物語を記録するなど、その過程は地道なものである。現地の過酷な生活環境に心折れそうになりつつも、独り調査を積み重ねてきた著者が、独自のユーモアを交えつつ真摯に綴る、思索に満ちた研究の記録。
【書評続々!!】
2019年
日刊ゲンダイ(9月5日)/書評
幻冬舎plus(9月15日)/紹介(辻山良雄氏・本屋Title店主)
週刊エコノミスト(10月1日号)/紹介
月刊みんぱく(10月号)/紹介
ダ・ヴィンチ(11月号)/書評(辻山良雄氏・本屋Title店主)
てんとう虫(11月号)/紹介(蜂飼耳氏・詩人)
産経新聞(10月6日)/書評(竹内洋氏・京都大学名誉教授)
週刊読書人(10月11日)/書評(高野秀行氏・ノンフィクション作家)
毎日新聞(10月20日)/書評(渡邊十絲子氏・詩人)
琉球新報(10月20日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
南日本新聞(10月20日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
北國新聞(10月20日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
秋田魁新報(10月20日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
日本経済新聞(10月26日)/短評
沖縄タイムス(10月26日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
福島民報(10月26日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
下野新聞(10月27日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
宮崎日日新聞(10月27日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
中國新聞(10月27日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
新潟日報(10月27日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
日本海新聞(10月27日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
朝日新聞(11月2日)/書評「著者に会いたい」(著者インタビュー)
神戸新聞(11月3日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
山陽新聞(11月3日)/書評(サンキュータツオ氏・学者芸人)
好書好日(11月7日)/書評「著者に会いたい」(著者インタビュー)
2020年
中央公論(1月号)/書評
SUMISEI BESTBOOK(2月号)/書評
BRUTUS(907号)/書評
母の友(2月号)/書評(浅生ハルミン氏・イラストレーター、エッセイスト)
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目次
もくじ
地図・言語分布図
調査地へのアクセス
0
遥かなる言葉の旅、遥かなる感覚の隔たり
表記と文字のこと
1
フィールド言語学は何をするか
インフォーマント探し
ブルシャスキー語
系統不明の凡庸なことば
PCOからスマホへ
物語が紐解くは
異教徒は静かに暮らしたい
ブルシャスキー語の父(笑)
ドマーキ語
諺も消えた
インドへ行って、引き籠もりを余儀なくされる
2
好まれる「研究」と、じれったい研究
バックパッカーと研究者
コワール語
名詞は簡単で動詞は複雑?
文字のないことば
カラーシャ語
アバヨー! 舌の疲れることば
フンザ人からパキスタン人へ
言語系統と言語領域
カティ語
挨拶あれこれ
3
なくなりそうなことば
ドマー語、最後の話者
動物と暮らす
シナー語
街での調査は難しい
出禁村
ジプシー民話
カシミーリー語
変り種の大言語
500ルピーばあさん
ウルドゥー語
インフォーマントの死
「はじめに」
あとがきに代えて
参考文献もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]吉岡 乾(ヨシオカ ノボル)
吉岡乾(よしおか・のぼる)
国立民族学博物館准教授。専門は記述言語学。博士(学術)。1979年12月、千葉県船橋市生まれ。2012年5月、東京外国語大学大学院博士課程単位取得退学。同9月に博士号取得。博士論文の題は「A Reference Grammar of Eastern Burushaski」。2014年より、現職。
大学院へ進学した2003年よりブルシャスキー語の研究を開始し、その後、パキスタン北西部からインド北西部に亙る地域で、合わせて7つほどの言語を、記述的に調査・研究している。著書に『なくなりそうな世界のことば』(創元社)。もっと見る
ブックトレイラー
お客様の声
現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。
投稿者 匿名 / 投稿日 2021/10/15
友人と読書会の課題本として読み、大変面白く盛り上がりました。
まず、帯にもある様に「日本に帰りたい」、現地が嫌いというのに至る様々なエピソードと本人の感想がとても読みやすく、共感を持ちました。
その一方で、言語学に関する幅広い知識や類例、発音の表記、各言語の表記等、真摯な言語学への態度も見えてきて、言語学という全く知らない分野の世界を垣間見れるようでとても興味深かったです。
私は本書の注釈が結構好きなのですが、特にアブジャド(子音だけを書く音素文字)の注釈における日本のネット文化で発声した表現がアブジャド式になっているというのは著者のパーソナリティや日本語という言語の表現の可能性が垣間見えてとても良かったです。現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。
投稿者 匿名 / 投稿日 2021/10/15
図書館員です。内容のユニークさはもとより、言語学フィールドワークを垣間見る本として、学生世代に紹介したいと拝読しました。学生時代方言学のフィールドワークに加わったこともあり、個人的にも興味深く面白かったです。
きっと、言語学に足を踏み入れる若者が、この本の読者から生まれてしまうでしょう。
意見でも感想でもないのですが、カラーシャ語の「アバヨ~」、全く同じ使い方で、種子島方言にあります。私の父の出身地ですが、現在でも高齢の方は、嬉しい驚きにつき、悲しい驚きにつき「あばよ~!」と仰います。
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