哲学の蠅
吉村 萬壱 著
刊行年月日:2021/11/16
ISBN:978-4-422-93090-9
定価:2,200円(税込)
判型:四六判 188mm × 128mm
造本:並製
頁数:296頁
作家デビュー20年、初の自伝的エッセイ
哲学の姿をした小説であり、小説の姿をした哲学でもある。
情念ばかりか、概念まで躍動している。新しい哲学への扉がここにある。
――若松英輔(批評家、随筆家、詩人)
書物と共に歩んできた魂の遍歴の記録
世界の「正当性」を破壊しながら、人間存在の根源的な部分を抉り出し、現実への違和感を物語に託して世に放つ異端の小説家・吉村萬壱が、デビュー20年の節目に著す初の自伝的エッセイ。幼少期の鮮烈な体験と母親の存在は著者の人間形成に決定的な役割を果たすが、やがてそれに対抗する力として文学や哲学に傾倒してゆく。ニーチェやコリン・ウィルソン、井筒俊彦やヴィクトール・フランクルなど種々の著作のほか、映画作品や断片的なメモなど著者が血肉としてきた広義の「哲学書」を取り上げ、それらと創作との結び付きを考えながら、読むこと、書くこと、ひいては生きることそれ自体の意味を問う。
【書評】
2021年
日経新聞(11月18日)/書評(陣野俊史氏・批評家)
中日新聞・東京新聞(11月29日)/書評
毎日新聞(12月4日)/書評(伊藤亜紗氏・美学者)
讀賣新聞(12月12日)/書評(苅部直氏・政治学者)
文化通信(12月14日)/紹介
週刊文春(12月16日号)/紹介
毎日新聞(12月18日)/「2021年この3冊」(伊藤亜紗氏・美学者)
2022年
毎日新聞(1月24日)/著者インタビュー
毎日新聞(1月26日)/書評(小川公代氏・英文学者)
毎日新聞(1月29日)/紹介(鈴木成一氏・装幀家)
「Meets regional」(3月号)/紹介(磯上竜也氏・toi books)
「週刊読書人」(2月4日)/書評(西野智紀氏・書評家)
中日新聞・東京新聞(2月6日)/書評(若松英輔氏・批評家、随筆家)
北海道新聞(2月22日)/著者インタビュー
「小説現代」(4月号)/紹介(こだま氏・作家)
※制作中のため変更の可能性があります。
蛆虫
Ⅰ 肉
体罰
客体
愚行
Ⅱ 森
倦怠
他者
儀式
Ⅲ 痴
法悦
感化
仲間
Ⅳ 秘
大学
虐殺
映画
日記
哲学
嫉妬
Ⅴ 爆
孤独
仕事
端緒
解放
Ⅵ 狂
狂気
暴力
Ⅶ 憑
契約
小説
熱量
浮沈
Ⅷ 雪
創作
血族
芸術
抜殻
※著者紹介は書籍刊行時のものです。
[著]吉村 萬壱(ヨシムラ マンイチ)
吉村萬壱(よしむら・まんいち)
1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪育ち。京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務めた後、52歳で専業作家に。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞してデビュー。以後一貫して、宇宙人的視点から見た人類(人間)の像を思い描きながら執筆している。2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞、2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞受賞。小説のほかに漫画『流しの下のうーちゃん』、エッセイ集『生きていくうえで、かけがえのないこと』『うつぼのひとりごと』がある。ほかの著書に『バースト・ゾーン~爆裂地区』『ヤイトスエッド』『ボラード病』『虚ろまんてぃっく』『前世は兎』『出来事』『流卵』など。最新作は『死者にこそふさわしいその場所』。
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