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明るい炭鉱

吉岡 宏高 著

刊行年月日:2012/08/08
ISBN:978-4-422-30043-6
判型:四六判 188mm × 128mm
造本:並製
頁数:256頁

日本の近代を支えた黒いダイヤ=石炭。その生産現場である炭鉱地域は、余所者が三々五々集まってできた、物資も人心も豊かな人工コミュニティであった。北海道の空知・幌内炭鉱で労務の息子として育った著者が、その半生と炭鉱遺産を活用した地域NPO活動を通して綴る、炭鉱の本当の姿とその未来。産業としての衰退、悲惨な事故の事実や記憶など「暗い」イメージの源にも触れながら、「明るい」世界を描く異色ノンフィクション。

◆明るい炭鉱 目次(未定稿)

はじめに

第1章 「明るい炭鉱」を知るための基礎知識

炭鉱とはそもそも何か
 総合産業としての炭鉱
 地上の世界と地下の世界
炭鉱を開くための準備作業
 金属鉱山と炭鉱の違い
 明治政府の北海道開拓使設置
 フロンティアの消滅とお雇い外国人の来日
まずは地中に向けて坑道を掘る
 水平坑
 斜坑
 立坑
 入気と排気
 掘進|坑道を掘る
ようやく石炭を掘る
 前近代的な狸掘り・残柱式
 ロングによる能率向上
 炭鉱と木材
 カッペの登場と機械化の進展
 自走枠・ドラムカッターによる画期的な能率向上
 高度の機械化による職場の変化
 掘った跡を埋める
 最後まで人力頼みの急傾斜採炭
そして地上へ石炭を運ぶ
 地味だが重要な「運搬」
 坑内から坑外へ
 立坑による石炭輸送
 ベルトによる石炭輸送
 坑外から坑内へ
 モテる運搬員
最後に石炭を選りだす
 選炭
 排水処理
 ズリ山・ボタ山
 貨車積み
 石炭輸送と鉄道
坑内作業を支える大切な仕事
 守りの仕事、「工作(機電)」
 裏方の力持ち、「仕繰」
 攻めの職種、「測量」
炭鉱の従業員と生活
 職員と鉱員
 労働時間
 入出坑
 炭住街

第2章 ある炭鉱家族の物語

 四五万分の一の物語
 北炭幌内炭鉱
 黒船来航と炭鉱開発
 幌内炭鉱の発見
 明治の国策会社「北炭」の成立
 鉄道国有化と新鉱開発
 北炭における幌内鉱の地位
 最新鋭の新幌内砿
 幌内砿の行き詰まりと両砿の統合
 ガス爆発事故の発生
 北炭からの分離と一一〇年目の閉山
 石炭から電力、動燃まで
父の物語
 祖父の北海道入植
 樺太での事業の成功
 終戦ですべてがゼロに
 野球でスカウトされ北炭の鉱員に
 結核入院が契機となって結婚
 念願の職員登用
 新幌内から幌内へ移る
 炭鉱労務という仕事
 最初は福利厚生の担当に
 狭義の「労務」担当に労務
 鉱員確保の主戦場
 採用あれば解雇あり
 労務係長からの左遷
 ヤマとの別れ
私の物語
 「労務屋」の息子として
 人生のスタートは新幌内の鉱員炭住
 一九六七年、幌内の職員住宅へ
 特殊技能を磨く
 入退院を繰り返す母
 複雑な心境の正月
 思い出の多い社宅
 一九七五年一一月二七日午前二時
 最後の社宅「ヤ四八」
 職員の子供の孤独感
 市内各所に広がる行動範囲
 山を越えてのフィールドワーク
 「万字地区野外観察報告書」
 次いで夕張巡検へ
 「僻地の天才、岩東来ればただの人」
 地の底二六八番からのスタート
 地理学と経営学と
 二つの研究課題
 今日に続く活動の基
 炭鉱出身者が炭鉱を忌避する理由
 魔法の言葉、「何もさ」
 常に非ず

第3章 歴史的転換点の現場

スクラップ=アンド=ビルド政策導入の背景
 背景にある政府石炭政策
 北炭の状況…夕張の能率低下
「見習社員集合教育日記」に見る第一の現場
 登用職員の初任者研修
 夕張での研修が始まる
 保安教育
 初めての入坑
 中央立坑と二砿坑内
 日記の注目点
大規模ピルドアップの明と暗
 夕張中央立坑と幌内立坑
 無理な開発と追い打ちをかける事故
「被災家族に対する説明」に見る第二の現場
 幌内坑事故の状況と文書作成の経緯
 父が書いた「被災家族に対する説明」
 第二の現場での仕事
終わりなき破綻の連鎖
 夕張新鉱の事故と破綻
 夕張市と北炭の似た構図

第4章 炭鉱は「暗い」のか?

 他力に頼った産炭地域
 払拭しなくてはならない過去とは?
 何が「暗い」と思わせるのか?
 渡辺淳一の炭鉱観
筑豊は日本の炭鉱の典型なのか?
 土門拳と五木寛之
 筑豊炭鉱の特殊性とは
 したたかな「炭鉱=暗い」作戦
 一段面の記録としての山本作兵衛作品
安直に過ぎる「暗い炭鉱」対策
 備前焼よりも安物のカップを
 かつてあったバランス感覚
 表面だけの「明るさ」を求めたツケ
 ドイツ産炭地域から得た教訓
時代の潮目の変化
 無用の長物としての小樽運河
 急行能登廃止の狂騒に思う
 文化資源としての「炭鉱展」から考える
 筑豊での経験と梃の原理

第5章 「暗い炭鉱」からの新たな脱却

 実は先駆的な産炭地域
 「炭鉱の記憶」の現代的意義
 北海道炭鉱史は「記憶」の理想形
「炭鉱の記憶」を掘り起こす
 NPO炭鉱の記憶推進事業団の結成
 アンプとポンプの仲人役
「観光まちづくり」という発想
 顧客をなめてはいけない
 観光は目的なのか手段なのか
 〝ここに来るしかない〟まちづくり
 産業遺産を活かした観光
 「幌内歩こう会」からのスタート
 見えない資源へ誘う観光へ
 不可欠な市民シンクタンク
そらち産炭地域の見取り図
 地域活性化戦略の策定
 目下の急務は誇りの回復
 再生政策の基本三点セット
 空知の再生政策―理念的な展開方針
 空知独自の展開を目指して
ドイツなど海外の事例
 空知とルールの違い
 エムシャー川に沿ったランドマーク
 世界遺産のツォルフェライン炭鉱
 生活環境を再生したルンゲンベルクのズリ山周辺
 ルール地域の産業遺産を生かした地域政策
 英国ウェールズ…アーカイブスによる地域再生
 炭鉱は世界の共通語
「明るい炭鉱」への道筋をつける
 可能性としての若者たち
 「三方一両得」の条件を作る
 炭鉱労務の教えに還る

 あとがき

※著者紹介は書籍刊行時のものです。

吉岡 宏高著
1963年生まれ。北海道三笠市の炭鉱で育つ。福島大学経済学部卒、札幌学院大学大学院地域社会マネジメント研究科修了。日本甜菜製糖、たくぎん総合研究所を経て、まちづくりコーディネーターとして独立。現在、NPO法人炭鉱[ヤマ]の記憶推進事業団理事長として、故郷の北海道空知産炭地域で炭鉱遺産の保全・活用に向けた活動を実践している。他に、NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト理事などをつとめ、札幌国際大学観光学部教授として教壇にもたっている。著書に『炭鉱遺産でまちづくり』(2005年)がある。

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