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不確かな時代を共に生きていくために必要な
「自ら考える力」
「他者と対話する力」
「遠い世界を想像する力」
を養う多様な視点を提供する、
10代以上すべての人のための人文書のシリーズです。
●造本:四六判変型(横130×縦168mm)・並製・128~160頁
●各巻予価:1,540円(本体1,400円)
(五十音順)
「あいだ」は物事を接続するだけではなく、次の段階に進むための踊り場でもあります。
これからの世界に飛び込む「きみ」が新しい自分と出会うきっかけになります。
ぜひ、手にとってみてください。
ウスビ・サコ
(京都精華大学 前学長)
あいまいさを受け入れる粘り強さ。
そこから言葉にならない真理が見えてくる。
小川洋子
(小説家)
いちばん大切なことは「あいだ」にある。
あれとこれのあいだ。あそことここのあいだ。
自分と誰かのあいだ。
だから、ぼくは「あいだ」に関する本も書いた。
そんな本がこれから、ここから、たくさん生まれる。
すごくうれしい。
高橋源一郎
(作家)
人と人のあいだ、人々と人々のあいだが困難なこの時代こそ、ひとつひとつ、立ちどまって考えることが大切。
気鋭の書き手が多様な切り口で「いま」を読み解き、
生きるための思考を広げてくれるシリーズです。
土居安子
(大阪国際児童文学振興財団理事・総括専門員)
(2022年11月時点。タイトル・内容・刊行年月はすべて仮)
2023年4月刊行
自分疲れ
ココロとカラダのあいだ
頭木弘樹
難病の実体験に基づいたユニークな文学紹介活動を展開している著者が、「自分自身でいることに疲れを感じる」「自分自身なのになぜかなじめない」といった「違和感」を出発点にして、文学や漫画、映画など多彩なジャンルの作品を取り上げながら、心と体の関係性について考察していく。読者が「私だけの心と体」への理解を深める一助となる一冊。
2023年4月刊行
SNSの哲学
リアルとオンラインのあいだ
戸谷洋志
10代の生活にすっかり溶け込んでいるSNSの利用をめぐるさまざまな現象――「ファボ」「黒歴史」「#MeToo運動」など――を哲学の視点から捉え直し、この世界と自分自身への新しい視点を提供する。若い読者に「物事を哲学によって考える」ことの面白さと大切さを実践的に示す一冊。
2023年6月刊行
ことばの白地図を歩く
翻訳と魔法のあいだ
奈倉有里
ロシア文学の研究者であり翻訳者である著者が、自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍醐味について語り届ける。「異文化」の概念を解きほぐしながら、読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを、読者と一緒に“クエスト方式”で考える。読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。
2023年8月刊行
風をとおすレッスン
人と人のあいだ
田中真知
中東やアフリカで長年過ごしてきた著者が、旅の経験や、古今東西のさまざまな文化や文学作品などの例をとおして、人と人との「あいだ」、また自分自身の中の「あいだ」を見つめ、そこに風をとおし、互いに自由になれる関係をつむぐ道を考える。迷いや悩みの多い10代やすべての方たちにとって、「私」も他者も大切に、軽やかに生きていくレッスンとなる一冊。
2023年10月刊行
根っからの悪人っているの?
被害と加害のあいだ
坂上香
著者の映画作品『プリズン・サークル』は、日本で1か所だけ、刑務所の中で行われている「TC(回復共同体)」という対話による更生プログラムを、20 代の受刑者4人を中心に2 年間記録したドキュメンタリー。本書は、この映画を手がかりに、著者と10 代の若者たちが「サークル(円座になって自らを語りあう対話)」を行った記録である。映画に登場する元受刑者の2 人や、犯罪被害の当事者をゲストに迎え、「被害と加害のあいだ」をテーマに語りあう。
2024年3月刊行
能力で人を分けなくなる日
いのちと価値のあいだ
最首悟
本書は、著者の三女で重度の身体障害者である星子さんとの暮らしの様子や、2016年に起こった津久井やまゆり園事件の犯人である植松青年とのやりとり、さらに星子さんの出生後1977年から通い続けた水俣とのかかわりを、10代の若者を相手に語り、その記録を1冊に編むものである。優生思想、能力主義、教育の意味、産業社会とひとりひとりの生とのかかわり、差別、自立と孤立……などの問題を一つ一つ話し合い、〈いのち〉に価値づけはできるのか、「共に生きる」とはどういうことかを考える。
2024年5月刊行
ハマれないまま、生きてます
こどもとおとなのあいだ
栗田隆子
「『おとなになる』ってどういうことだろう?」「私、何歳になっても『おとなになった』気がしない」──いま、「おとな像」はますます曖昧になっている。本書では、不登校や非正規労働を経てきた著者が、昭和時代からの「おとな像」の変化を追い、「おとな像」「子ども像」やその境界線はつねに揺れ動くものであること、その規範は往々にして政治や社会、経済の要請に基づいていること、また、「大人っぽさ」のイメージが「女らしさ」「男らしさ」といったジェンダーの意識と密接に結びついていることなどを、具体例を示しながら読者とともに考える。
2024年7月刊行
ホームレスでいること
見えるものと見えないもののあいだ
いちむらみさこ
野宿者として、またアーティストとして、国内外で反ジェントリフィケーションやジェンダー、貧困、マイノリティなどをめぐって活動してきた著者が、自身や周りのホームレスの人々の生活を伝え、現代社会の風景の中の「見えているのに見えないことにされているもの」「隠されているもの」「消されたもの」などについて、10代の読者に語りかける。
2024年8月刊行
隣の国の人々と出会う
韓国語と日本語のあいだ
斎藤真理子
いま、韓国の文学やドラマ、映画や音楽などに惹かれる人々はますます増えている。一方で、韓国と朝鮮半島の歴史や社会については、最も近い「隣」であるにもかかわらず、よく知らない場合も多い。本書では、韓国文学の翻訳者である著者が、朝鮮半島と現代の韓国の人々は「ことば」とどのようにかかわり、何を託してきたのか、その一つ一つがどのような歴史を重層的に含み持っているのかを、日本語との比較を交えながら、多角的に捉え、味わい、読者とともに考える。
2024年10月刊行
言葉なんていらない?
私と世界のあいだ
古田徹也
本書では、言葉の「制御できない力」の側面を糸口に、10代の若者も日々経験しているであろう言葉とのかかわりの場面を具体的にとりあげ、哲学の視点で見つめ直してゆく。言葉に振り回されがちな日常生活の中で、読者が言葉と自己とのかかわりを距離をとって見つめ、すこし楽になり自由になること、また、言葉に対する別の見方を提供し、新たな興味を呼び起こすことにつながる一冊。
巻き貝を耳にあててみるように、「あいだ」から聞こえてくる声や、音に、一緒に耳を澄ませてみませんか。
そんな思いを込めたロゴデザインです。
「巻き貝に耳をあててごらん。海の音が聴こえるよ」
幼い日、だれからか教わって、サザエでもハマグリでも貝を見つけると、まず耳にあてて、音を聴いてみるようになりました。
でも、どの貝でも海の音がするわけではありません。じっと耳を澄ましているうちに、どうやら音は貝が発しているものではなく、貝とぼくの耳の「あいだ」にあるらしい、と気がつきました。
ふだん、ふつうに生きていると聴こえない音が、巻き貝を耳にあてるときだけ聴こえてくる。おなじように、日常のなかでは、なかなか見えてこないものがあります。
このシリーズの本をひらくことで、さまざまな「あいだ」の音を聴くことができたなら——そう思ってデザインしました。(矢萩多聞)