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レトロかわいい鉱物画を厳選、何度も見ても飽きない秀麗図版集。
近年人気が高まる、手彩色銅版画や多色刷石版画などの美しい印刷画。本書は、主に19世紀半ばから20世紀初頭に刊行された百科辞典や図鑑などの膨大な挿画プレートから『不思議で美しい石の図鑑』の著者で瑪瑙コレクターでもある山田英春氏がとくに鉱物画の秀作を厳選収録。写真にはない、微妙な鉱石や宝石の質感も堪能できるレトロでアンティークな世界。ライプツィヒで刷られた「インゼル文庫」版鉱物画も収録した永久保存版。
★本書巻末「解説とあとがき」より一部抜粋
……19世紀後半まで、印刷における多色表現は単色の木版画、銅版画に手彩色を施すのが一般的で、オーデュポンの『アメリカの鳥類』(1827-1838)などの美麗な博物画も全て手彩色によるものだった。ただ、この手法は精細な表現をしようとすると、制作に多大な時間と費用を要したため量産が困難だった(435枚の図版を収録した『アメリカの鳥類』には、現在の貨幣価値で2億円もの製作費が費やされたと言われている。)
19世紀後半に石版印刷による多色印刷=クロモリトグラフの技術が開発されると、印刷の効率性、表現力は一気に高まる。
石版画は石灰岩を研磨した面に直接絵をかく、あるいは原画を転写することで版が作れたので、版を彫る高度な熟練技術を要さず、版の耐久性も上がったため、19世紀末には、ポスターなどの商業印刷に多用された。
書籍の世界でも、当時高まりつつあった中流階級の知識欲とも合致して、カラー図版が多く入った図鑑、次点などが様々に作られた。
クロモリトグラフは最大20数色まで重ね刷りができ、絵画に近い精細で重厚な表現が可能だった。
ただ、やはり熟練工の経験に頼る面が大きく、図版の多い本は印刷に数ヶ月かかることもあったため、20世紀中盤になると、より大量の印刷物を低コスト・短時間で作成する技術が求められ、現在と同じ4色かけ合わせによるカラー印刷に置き換わっていく。
ただ、4色で表現できる色域は限られており、当初はアミ点も粗かったため、手彩色や十数色を使ったクロモリトグラフ印刷に比べて、精細さ、色彩表現の面では後退した感があった。
現在でも銅版画に手彩色、またはクロモリトグラフによる印刷図版が人気があるのは、絵そのものが魅力的であるのと同時に、現在の印刷物にはない色彩の幅と質感をもっているからである。(以下略)
鉱物画図版
鉱物画切手
図版データ
解説とあとがき
※著者紹介は書籍刊行時のものです。
[編]山田 英春(ヤマダ ヒデハル)
1962年東京生まれ。国際基督教大学卒業。出版社勤務を経て、現在書籍の装丁を専門にするデザイナー。日本有数の瑪瑙コレクターとしても知られる。著書に『不思議で美しい石の図鑑』(創元社)、『インサイド・ザ・ストーン』(創元社)、『巨石―イギリス・アイルランドの古代を歩く』(早川書房)、『石の卵―たくさんのふしぎ傑作選』(福音館書店)がある。
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