創元社NEWS*2020年3月号

正月気分の抜け切らなかった先月に比べ、3月はなにか空気が一変してしまったかのような自粛ムードの昨今、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
気軽に外を出歩くこともどこかためらわれてしまうような毎日ですが、創元社ではこの度、一部の書籍を期間限定で全文無料公開いたしました(詳しくはキャンペーン情報をご覧ください)。鬱屈する日々を、本を読むことで乗り越えたいものです。
それでは今月のメルマガをお送りいたします。
編集者の裏×裏・・・イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
新刊情報・・・絶賛発売中の新刊ラインナップ。
営業部だより・・・営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
[連載]ソジーのゲラ・・・公式キャラクター・ソジーが現在編集中の本のゲラを紹介。
キャンペーンのお知らせ・・・期間限定無料全文公開、など。
「じんぶん堂」掲載情報・・・「じんぶん堂」に掲載された弊社記事をお知らせ。

 編集者の裏×裏(ウラジジョウ)
イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。

ワンピースで世界を変える!――専業主婦が東大安田講堂でオリジナルブランドのファッションショーを開くまで【3/17発売】
ブローレンヂ智世/著 定価(本体1,400円+税)

「ジェンダーフリーの洋服ブランドを起ち上げたい!」
お金も、知識も、技術もないところから始まった挑戦は、苦闘の末に思いがけない味方を集め、果ては歴史ある東大安田講堂で前代未聞のファッションショーを開くことに!?
ごく普通の(?)専業主婦が、男性的な骨格の人もきれいに着こなせるかわいい洋服ブランド「ブローレンヂ」を起ち上げ、さらなる成長を続ける姿をありのままに綴った、等身大のビジネス起業奮闘記。

担当編集者より
本を編集する時、その中で扱われている内容はたいてい過去のものである。あるいは少なくとも他人の過去である。書籍の出版にはそれなりの手間と時間がかかるから当然のことなのであるが、この『ワンピースで世界を変える!』は、これまで担当した本の中で限りなくリアルタイムに近い本である。
本書は、男女の骨格や体型の違いを型取りとデザインの工夫でカバーし、男性的な骨格の人でも着心地良くきれいに着られるレディース服を作っているファッションブランド「ブローレンヂ」の起業エッセイである。資金も経験も知識もない専業主婦だった著者が、このような前例のない商材で起業したのみならず、たった一年で、かの有名な東京大学安田講堂で史上初のファッションショーを開催するまでを綴っている。
実は、ファッションショーの話が出たのは、エッセイの出版が決まった直後のことだった。「東大安田講堂でできるかもしれないんです」。しかしスポンサーはまだおらず、開催まで半年を切っていると聞いたとき、私は正直、無理ではないかと思った。しかし、著者は本当にやってしまった。2018年6月3日、東大安田講堂。それまで、女性装をしてもどこか自信なさげだったモデルたちが、自分で選び自分の体にフィットした服を着て、堂々と舞台に立ち、笑顔でライトを浴びているのを見て、私はあまりの美しさに心から揺さぶられた。顔やスタイルの美醜ではなく、生命そのものが輝く美しさだった。この光景をもっと当たり前にしたい、この本は絶対に出さなきゃいけない、と思った。
その後、作家の太田明日香さんにも編集チームに加わってもらい試行錯誤すること1年半、ようやく本書は完成した。ファッションショーのくだりは、私自身が目撃したことも、そのまま記録されている。今この瞬間もさらに先へ進み続けているブローレンヂの進行形を文字に捉えた、異色の起業エッセイに仕上がったと思う。ぜひ、ご高覧いただきたい。(O)

╋ 新刊情報
絶賛発売中の新刊ラインナップ。

世界を変えた150の科学の本【2/10発売】
ブライアン・クレッグ著/石黒千秋訳 定価(本体2,800円+税)

『ヒポクラテス全集』、アリストテレスの『自然学』から『ホーキング、宇宙を語る』『サピエンス全史』まで、豊富なビジュアル資料でたどる自然科学書2500年の歩み。


図典「大和名所図会」を読む――奈良名所むかし案内【2/19発売】
本渡章著 定価(本体3,800円+税)

原寸復刻された迫力ある名所絵を全三十景に厳選して細部まで読み解き、江戸時代の奈良へ誘う案内書。全絵図約180点。地名やキーワードでも引ける画期的な図典。


デジタルヘルスケア【2/19発売】
武藤正樹監修/遊間和子著 定価(本体1,800円+税)

ICTを活用したヘルスケアデータ管理や遠隔治療、手術や介護をサポートするロボットなど、超高齢化社会の切り札「デジタルヘルスケア」の実例やしくみをやさしく図解。


マンガでわかる子育てコーディネート――親子で楽しい生活ルールの作り方【2/26発売】
山本ユキコ著/ながさわゆみこ漫画 定価(本体1,400円+税)

日本に混在する2つの育児スタイルから「いいとこどり」をして各自の育児環境に合った、ストレスなく「しつけ」をする方法を伝授する子育て応援コミック。


橋爪節也の大阪百景【2/26発売】
橋爪節也著 定価(本体1,800円+税)

大阪的文化の地層を掘り起こす圧巻の100コラム。言葉、人物、絵画、文学、その他貴重資料から、この街に埋もれた本物の都市文化とその魅力を洒脱につづる。図版多数。

大阪万博の戦後史――EXPO'70から2025年万博へ【2/26発売】
橋爪紳也著 定価(本体1,600円+税)

大空襲、占領下を経て、復興から高度経済成長へと向かっていく時代の空気と70年万博の熱狂を描き出す戦後史の物語。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の構想案も公開。



╋ 営業部だより
営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
営業部だより、あっという間に2回目が回って来ました。
今回は、少し自分のことをお話しようと思います。
私は、1970年生まれで、1970年と言えば・・・そうです!
大阪万博の開催された年です。しかし、私は母のお腹の中にいたため、全く記憶がありません。
しかし、世の中は高度経済成長へと向っていく時代の空気と万博の熱狂で大阪は大変賑わっていたそうです。
今年で、大阪万博が開催されてから、50周年!!
これからの未来、どのようになるのか!どう変わるか!
そして、2025年には日本国際博覧会が開催されます。
再び、大阪の街中が賑わい、活気が溢れることでしょう。
そこで、弊社の刊行している、『 大阪万博の戦後史』オススメです!(右は同時期発売、『 橋爪節也の大阪百景』です。)
是非、是非、ご覧ください。

ちなみに、私は、未だかつてあの万博のシンボル『太陽の塔』を近くで見たこともありません。この機会に観に行こうと思います。
そして、今回営業部だよりを読んで下さった皆様、私の年齢は内緒でお願いします!(C.N)


[連載]ソジーのゲラ
公式キャラクター・ソジーが現在編集中の本のゲラを紹介。

「ソジー、今度は何の本のゲラを見つけたの?」

新型ウイルスのせいでいろいろな施設がお休みになったり、イベントが中止になったりして、せっかくもうすぐ春なのに、どんよりした気分。
あれっ、ソジー、なんだか素敵な庭をお散歩してるね。
今日のソジーは、4月刊行予定の『 図説 モネ「睡蓮」の世界』(安井裕雄著)のゲラに迷い込んだみたい。
印象派を代表する画家・モネが生涯を通じて描き続けた「睡蓮」の絵を、最初期から晩年の作品まで全308作品を収録して、制作の背景や見どころ解説してるんだって。
同じ作家が同じモチーフを描いていても、年を経るごとに絵のタッチが変わっていくから、作家自身の心境や身体の変化まで感じ取れそうで、おもしろいね。
モネの研究家によるとても詳しい解説がついているけど、絵を眺めているだけでもリラックスできそう。
あ~、推しのライブも開催されるかどうかわからないし、私もソジーと一緒に、本の中の庭園でのんびりしようかな……。(O)

╋ キャンペーンのお知らせ
現在実施中のキャンペーン情報。
【1】期間限定全文無料公開
下記のタイトルにつきまして、期間限定で全文無料公開いたします。
>>『それでいい。』商品ページ
>>『あの日からの或る日の絵とことば――3.11と子どもの本の作家たち』商品ページ

【2】「こども『人を動かす』」購入者特典
カーネギーおじさんに教わるシリーズ1『こども「人を動かす」』の帯についている応募券でお申し込みいただいた方、先着300名様に500円分の図書カードをプレゼントいたします。

╋ 「じんぶん堂」掲載情報
「じんぶん堂」に掲載された弊社記事をお知らせ。
■「子どもの目」を通して現実の多層性にふれる 河合隼雄『河合隼雄と子どもの目』
1990年にマガジンハウスから刊行された『〈うさぎ穴〉からの発信』の復刊本です。著者は日本の臨床心理学における第一人者ですが、この本には難しい心理学用語は一切登場せず、一般的な読み物として読むことができます。ですが心理学というバックボーンをもつ著者の視点から児童文学というものを見てみたとき、そこには心理学が扱う「こころ」や「たましい」の問題が現れてくるのです。

第3次AIブームに問う「人間とは何か」 『意識的な行動の無意識的な理由』
人間の理性的で意志や意図を伴ったように見えるふるまいも、その要因やメカニズムを探っていくと、驚くべき地平が開けてくる。ここでは、認知心理学の最前線から人間の複雑で高度な心理的機能の謎を解き明かしていく『意識的な行動の無意識的な理由』をご紹介する。第3次AIブームを迎えているいま、「人間とは何か」という問いを考えていく上で、認知心理学は有益な知見や視点を数多く提供してくれるだろう。

『われらみな食人種』ほか 散乱した知の断片が書店で繋がる
大阪は一ジャンルに特化した出版社が比較的多いが、創元社は、フィクション以外はほとんど何でも出している。ほぼ全ての編集者がジャンルや規模の大小問わず、オールマイティーに企画をこなす。かくいう私も、160頁の石拾い本を作ったかと思えば500頁近いメディア政治史論集を担当し、女性科学者のビジュアル伝記本と六甲山のハイキングガイドを同時に入稿する、みたいなことを繰り返している。飽きないといえば飽きないが、あまりに締め切りが混み合ってくると、頭の中はジャンルのごった煮、進行管理もひっちゃかめっちゃかだ。特にここ半年ほどは毎月1冊以上それなりのボリュームの入稿が続き、販促やら先々の企画準備やらも重なって、脳内はもはやパニック状態だった。

『Shinrin-Yoku(森林浴)――心と体を癒す自然セラピー』 日本発のShinrin-Yokuが世界でブーム
森林浴はなぜ、人の心と体を健康にするのだろう。現在の人工化された都市社会において、ストレスによる心身の不調が社会問題となっている。森林浴は自然由来で低コストであり、ストレス軽減、リラックス効果、予防医学効果がある。そんな森林浴の効果を科学的データに基づき紹介した1冊。著者本人に森林浴の現状について寄稿いただいた。

『あの日からの或る日の絵とことば』 東日本大震災から9年目の今をむかえて
――3.11と子どもの本の作家たち。現代を代表する絵本作家たちが描く、震災をめぐる或る日の記憶。

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