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相互性の心理臨床入門
西 隆太朗 著
内容紹介
これまでにない視点から心理臨床を捉え直す
セラピストとクライエントが互いに一人の人間として真摯に出会う相互性の体験は、心理臨床の核心にありながら、その歴史の中でしばしば見失われてきた。本書は、フロイト、ユング、ロジャーズをはじめとする様々な臨床家の実践事例を詳細に再解釈することを通じて、相互性の思想が学派を超えて受け継がれてきたことを示しつつ、その現代における意義を明らかにする。これまでにない視点から心理臨床の本質を捉え直す画期的入門書。もっと見る
目次
【目次】
序章 心理臨床における相互性
第I部 相互性の体験を読み解く
第1章 関係性をどう読み解くか――フロイトとラングスの解釈論
第2章 ユングにおける相互性と非転移の観点――初期解釈論の再検討から
第3章 ロジャーズにおける相互性の体験――「沈黙の事例」の再検討を通して
第4章 フェレンツィの心理臨床論とその到達点――外傷論から相互的な関係性へ
第5章 ウィニコットにおける移行――変化の臨界点
第6章 バリントにおける相互的な「認識」――人間として出会う
第7章 津守眞の臨床的保育実践に見る相互的な変容の過程
第II部 相互性の心理臨床論とその展開
第8章 二者心理学の概念とその意義
第9章 グループ状況をどう理解するか――心理臨床における多者心理学の可能性
第10章 転移・逆転移概念の批判的検討――セラピストの省察のために
文献
人名索引
事項索引
おわりに
初出一覧
コラム1 「患者」と「クライエント」
コラム2 臨床的エビデンスの問題
コラム3 心理臨床と保育・教育
コラム4 「抱えること」と精神分析の発達論
コラム5 傾聴と共感――相互性の観点から
コラム6 投影同一化とコンテイニング
コラム7 過去の記憶にどう耳を傾けるか――「回復された記憶」の問題を通して
コラム8 『ジェインのもうふ』と移行対象
コラム9 “The Basic Fault”と邦訳の問題もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]西 隆太朗(ニシ リュウタロウ)
西 隆太朗(にし・りゅうたろう)
1971年生まれ。1995年に京都大学教育学部を卒業後、2002年に同大学大学院で博士号(教育学)を取得。臨床心理士、公認心理師。現在、ノートルダム清心女子大学教授。精神分析学、ユング心理学における関係性についての研究から出発し、近年は子どもたちとかかわる保育研究を進めている。著書『子どもと出会う保育学――思想と実践の融合をめざして』(ミネルヴァ書房)、『「発達障害」と心理臨床』(創元社、分担執筆)ほか。もっと見る
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