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心臓の声を聴け
ミミ・ガルネリ著/上塚芳郎監訳/ケイ洋子訳

  • 神奈川新聞 2011年3月6日
    中国新聞 2011年2月27日
    北日本新聞 2011年2月20日
    徳島新聞 2011年2月20日
    琉球新聞 2011年2月20日
  • 安井禮子(医療健康ライター)氏評

    思いやりある医療を

    心臓は血液を送り出すポンプだと教えられていても、心はどこにあるかと聞かれれば、多くの人は心臓に手を当てるのではないか。精神的な影響を受けやすいこの臓器には、強いストレスや敵意は冠動脈疾患につながる危険要因になる。
    一方、テクノロジー中心の現代医療では、心臓発作を起こした患者に、血管の閉塞部分を探して金属製のステント(筒)を挿入して広げたり、バイパス手術を行ったりする。米国の心臓内科医である著者も、何千例ものステント挿入をこなしてきた。
    だが、数年もたてば、患者の多くは再び血管を詰まらせて病院に戻って来る。ハーブやサプリメントをごっそり買い込む女性や、はり治療が効くと話す男性もいる。米国では人々がこうした代替医療に自前で数十億ドルも払っている。
    著者は、手術に頼らずに冠動脈疾患を改善するプログラムや、"気"のヒーリングタッチなどを経験し、全人医療を行うスクリプス統合医療センターを設立。現代西洋医学と代替医療の両方の良い部分を組み合わせるという考え方によって、医療やサポートプログラムを行っている。
    米国先住民族のラスは生きてきた道のりを医師に聴いてもらうことで、誇りと自信を取り戻し、7本もステントを入れた身で自分らしい生き方を見つけていった。話を聴いてもらうことは最大の癒やしであり、治療なのだ。70代でうつ病を併せ持っている女性は、小さな犬を飼ってはどうかとの医師の"処方箋"を実践し笑顔が出た。孫の写真を見て怒りの感情をコントロールするすべを学んだ女性もいる。
    うつ病は心臓病を引き起こすが、これは人々が孤立してうつ病が増え続ける現代社会への警告でもある。
    心臓は、ホルモンや神経伝達物質を出して独自の活動をしている「小さな脳」だとする見方もある。思いやりのある医療で心臓を温め、患者の生きる意欲を引き出そうという著者のメッセージを、他の多くの医師にも届けたい。

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