書影でたどる関西の出版100
林哲夫編著/生田誠、石原輝雄、小川知子、小野髙裕、北川久、季村敏夫、熊田司、菅谷富夫、高橋輝次、時里二郎、戸田勝久、中尾務、中野晴行、野村恒彦、橋爪節也、藤田加奈子、宮内淳子、毛利眞人、山本善行、吉田勝栄著
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朝日新聞(大阪本社版) 2010年12月11日
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関西出版史「珍本」でたどる1冊
内容・デザイン厳選、100冊を収録
明治から昭和の終わりにかけて関西で出版された「珍本」を集めた「書影でたどる関西の出版100」が刊行された。フルカラーの300ページ超。ユニークな内容、デザインの魅力などから選ばれた100冊で、多彩な魅力を伝える出版史となっている。
発行年は1870年から1986年。画家や研究者ら21人が執筆している。明治以来、出版界の東京集中が進む中、関西で出版され、原則として廃業した出版社の作品をたどっている。
このうち1920年代に出された「婦女世界」は毎号巻頭に、関西の「令嬢」たちのポートレートを掲載。新興俳句のよりどとろとなった俳句誌「旗艦」(35年)は、錨をあしらった斬新な表紙デザインだ。広辞苑の編者で知られる新村出の随筆集「ちぎれ雲」(42年)は、表紙に木版画を使うなど、戦時下とは考えにくい豪華なつくりになっている。
編者で装丁も手がけた画家林哲夫さんは、「取り上げた書籍は、デジタル時代には忘れ去られるに違いない。しかし、手にとってみなければ分からない魅力にあふれでいる。電子書籍元年のいまだからこそ、まとめて記録したかった」と語る。
奥付の検印を和紙風素材の紙片に押して張り付けるなど、随所に製作者のこだわりと丁寧な仕事がかいま見える。
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