大阪の橋ものがたり
伊藤純、橋爪節也、船越幹央、八木滋著
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橋梁と基礎 2010年7月号
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小西由人氏評
読者の皆様の多くは橋梁技術者であると思うが、本書は橋梁の技術的な観点とは全く別に、大阪の八十八の橋について、かつてのありよう、現在の姿(すでに機能を終えたものもあるが)などについて個々に紹介されている(なぜ、八十八の橋かについては、本書をお読みいただきたい)。橋の歴史、周辺の建造物との景観的調和など当時の写真、挿絵なども織り交ぜながらの紹介は、大阪に縁のない私にも、どこかなつかしい思いを沸かせるものであった。
「はじめに」の章で、「舟運から鉄道、そして車へと社会構造の変化によって多くの堀川が埋め立てられてしまった。これに伴い大阪の風景となっていた「八百八橋」の多くも姿を消した」という件がある。この一文により、橋は昔から社会構造の重要な一部であると同時に、風景にとっても重要な一部であることを私はあらためて感じた。さらに言えば、現存する橋をいかに風景の一部として後世に存続させていくべきか、と感じた次第である。
本書は、日ごろ構造計算、技術開発、現場監督などの業務に従事している技術者の方々には、ちょっと一息入れて、技術からかけ離れた観点から「橋」を考える、そんなよい機会を与えてくれる一冊と思われる。
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