校正のこころ
大西寿男著
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図書新聞 2010年1月23日
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校正とは本や雑誌を出版する際に必ず通過しなくてはならない大事な関門である、ということは昔も今も変わらない。しかし時代によってその作業は大きく変化している。では今日、それはどんな状況にさらされているか、そこでの校正者の役割はどうなっているかを考察した本である。
著者は「素読みが、いま現在の校正の仕事の中核をなしているといっても過言ではない」と書く。理由として、今の出版状況では一冊の本をつくるのに時間をかけていられないからだという。編集者に余裕がなく不完全な状態で入稿するため、校正者が目にする初校ゲラはあたかも草稿のようなもので、それを著者校正と共同して完成させていく。したがって校正は、短期間に草稿を完成原稿へ仕上げる素読みの技術へと変わってきている、と。
時代が変わって、文選工が活字を拾って一字一字組んだ校正刷りはまずない。校正の風景は一変した。だが校正の役割は重い。頼るべき原稿なしに正しい表現を求めなくてはならないからだ。著者は今日の表現世界で一番失われているのは「校正のこころ」ではないか、それが育たなくては言葉の世界は貧しく、伝達の機能は果たせない、と訴えている。
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