観点変更
今中博之著
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婦人公論 2009年11月22日
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渡邊十絲子氏(詩人)評
障碍者によるプロアート集団が現代美術の超新星を発掘する
(前略)
本書は、アトリエ インカーブの生みの親である著者の足跡をふまえ、その活動と理念を広く世に知らせようとする信念の書だ。自らも車椅子の人である著者は、障碍をめぐる世間の壁に挑みつづける。先例がないという理由で、日本の画商や学芸員たちが評価できなかった知的障碍者の絵をニューヨークやパリで紹介し、非常な高評価を得る。ある美大教授はそれを「復讐」という言葉で表現したが、もしそうだったとしても、なんと爽やかな復讐だろうか。
アトリエのアーティストの作品を、著者は「現代美術の先端」ととらえる。かつてピカソらが出てきたときに、こんな変わった絵を評価していいのか、値段がつくのかと戸惑った美術界の人たちと同じ視線を、いまわたしたちはもっているからだ。でも、わたしたちは思う存分戸惑えばいいのではないか。やがて彼らの絵は理屈抜きでカッコイイと思うときがくる。絵の作者がどんな人かを知ることなんて、その後からついてくればいいことなのだと思う。
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