
観点変更
今中博之著
世界から評価される芸術作品を生み出す知的障害者が集う「アトリエ インカーブ」を立ち上げた著者の歩みを通して、社会を変えるデザインの力を知ることができる。
若くして体の成長が止まる障害とともに、京都に生まれた著者。大学卒業後、デザイナーとして活躍するが、「オリジナルとは何か」と悩み、休職する。欧州でアール・ブリュット(生のままの芸術)と出合い、作者自身のためのオリジナルの創作がアートで、デザインとは他者のためと考えるようになる。
帰国後、絵を描くことが本当に好きなアーティストたちに出会う。知的障害のある作家たちが制作に取り組める場所を作ったことが、インカーブの誕生につながっていく。
障害者が「普通の生活」を送れない現状に怒りつつ、著者は芸術、福祉、教育の垣根を越えて、アーティストたちが幸せになれる仕組みをデザインし続けている。
分野を問わず、当たり前になっていることの中にも「おかしなこと」はある。そんなシステムを変えたい人に、勇気を与えてくれる一冊だ。
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