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観点変更
今中博之著

  • 朝日新聞(大阪市内版) 2009年9月24日
  • 障害者の芸術取り組み記す
    授産施設の歩みを本に


    25人の知的障害者が現代美術に取り組む大阪市平野区の授産施設「アトリエインカーブ」を運営する今中博之さんが、これまでの歩みと、喜び、苦しみがつづった本を出版した。
    今中さんは体の軟骨形成が進まない難病を持って生まれ、今も長い距離を歩くことができない。企業のショールームや博覧会の空間デザインを手がける会社員生活を18年間送ったが、「過去のデザインをミックスしてコピーしているだけだ」と思い悩み、1年間休職。海外で、美術教育を受けていない人たちによる「アウトサイダーアート」に出会って衝撃を受ける。03年、自らアトリエを立ち上げた。
    通所者の作品が米国の美術市場で数百万円の高い値を付けたこともある。また女優の山口智子さんら、アウトサイダーアートへの共感者も広がっている。だが今中さんはいまも、ビジネスと福祉の間で思い悩み、公的支援がやせ細っていく日本社会に憤る。本ではこうした思いを率直につづり、自分たちの試みを社会システムとして定着させるための提言にも踏み込んだ。「私たちの企てへの理解、さらにはアーティストの才能や作品への共感が広がれば」と今中さん。
    「観点変更―なぜ、アトリエインカーブは生まれたか」は創元社刊、303ページ。税込み1680円。

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