
京阪神モダン生活
橋爪紳也 著
関西こそ都市文化の花だ!
(前略)
この都市論を引き継いで走り出したのが、本書の著者・橋爪紳也とその兄・橋爪節也で、これまでにも二人は京阪神モダニズム研究の成果を次々と打ち出してきた。ヨシモト・たこやき・タイガースという悪しき類型の大阪を瓦解させ、歴史の重いマンホールの蓋を開けたのだ。
『京阪神モダン生活』は、そんな研究の過程で収集した、当時のカタログ、パンフレット、チラシなどから、都市風景や風俗、市民の生活などを読み取ろうという試み。
「電灯の下のモダン生活」「ケーブルと山上の陽春」「ターミナル型百貨店」「ビルヂングホテル」「世界に広がる富山の薬売り」と、目次のほんの一部を抜き出すだけで、なにやら浮き浮きと心が弾んでくる。
(中略)
また、関西は私鉄王国。沿線に住宅や行楽地、遊園地を作ることで、郊外での新生活を実現させる。
しかも、「六甲苦楽園案内」「阪神パーク・阪神水族館」「水泳はびわ湖へ」などのパンフレットの図版を見ると、いずれもグラフィックとして水準が高い。むしろ、戦後しばらくの印刷物の方が、野暮ったいことに驚いてしまう。
枚方パークの菊人形は三回も費やして紹介。枚方出身の私としてはうれしい。昭和五年のパンフで「日本一」と自画自賛し、翌年には「世界的存在」と「わずか一年後には世界を意識している」という突っ込みは大阪人ならでは。
著者は先般、大阪市長選に立候補し敗れたが、私はホッとした。市長なんで誰がやってもいいが、こんな仕事は橋爪兄弟にしかやれないからである。
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