
漱石、ジャムを舐める
河内一郎 著
漱石、ジャムが好き!? 元食品商社員6年がかりで研究書
「吾輩は猫である」の苦沙弥先生が好んだジャムは輸入品のイチゴジャムで650グラムの特大サイズ、「三四郎」の主人公は煮魚やゴボウが入った駅弁
を草津駅で購入
──。夏目漱石の小説や日記、書簡に登場する食べ物を詳細に調べた研究書「漱石、ジャムを舐める」が評判を呼んでいる。当時の物価表や食関連の年表も付け
られ、西洋食が一気に流入した明治期の食文化にも触れられる1冊となっている。
著者は河内一郎さん(66)。食品商社を退職した6年前、高校時代から愛読していた漱石の小説研究を始めた。漱石の研究書は600冊以上あるが、食の面から調べたものはほとんどなく、「自分の専門知識を生かせるのでは」と取りかかった。
(中略)
日記や書簡などの調査からは、胃弱であるのに、甘いものや濃い味のものを好んだ漱石の姿が浮かび上がる。弟子が訪ねてくる度に牛鍋を囲んだり、医者にジャ
ムを厳禁されたり。家族と一緒にアイスクリームを作ったこともあり、「人間くさい一面に触れられました」と河内さんはいう。
7月に出版後、作家や随筆家から「作品の時代背景がよく分かる」「調べる過程が推理小説のようで面白い」という反響が相次ぎ、増刷が決定。若い読者からの
感想も目立つ。「"文豪"の印象が強すぎて、漱石を読まずに遠ざけている人も多いのでは。作品を身近に感じ、楽しく読むきっかけになれば」と期待する。
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