漱石、ジャムを舐める
河内一郎 著
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本の雑誌 06年9月号
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(「今月の1冊」より)
河内一郎『漱石、ジャムを舐める』(創元社)は、帯に「食べ物からだどる漱石の素顔」とあるように、夏目漱石が実際に食べたものを、小説、随筆、日記に書簡の中から仔細にたどり、漱石の普段の食生活、好き嫌いをあぶりだすことで、人間・夏目漱石を描き出そうとした一冊である。
(中略)
食の歴史から、明治・大正期の食文化史を下敷きに、西洋料理から食材、飲み物、お菓子に各地の名産、飲食店まで、漱石が生きた時代の食の薀蓄が満載で、食卓が想像しやすいのだ。
なんでも著者は食品商社に三十八年勤務した市井の漱石研究家とのことで、この手の蘊蓄はお手のものなのだろう。巻末に付された詳細な食文化年表と物価表(漱石の収入、家計簿つき!)も貴重な資料で、へえ、とボタンを押したくなる一冊なのである。
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