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四国遍路の近現代
森正人 著

  • 徳島新聞 06年2月4日
  • <下> 戦中・戦後・平成
    バスツアーで転機 近年は癒やし効果に注目

    第二次世界大戦中には、四国遍路が「質素倹約の精神」を持っていることから、非常時に有効だという主張がなされた。
    (中略)
    しかし戦争が深まると、四国遍路を行う余裕などなくなり、巡礼者は激減していった。
    敗戦後の混迷の中、ようやく四国遍路が本格的に復活するのは、一九五〇年代半ば以降からと考えられる。
    (中略)
    七〇年前後には宿泊先がホテルになり、ツアーに観光地が組み込まれるなど、ようやく現在のようなレジャーとしての四国遍路が登場する。
    (中略)
    さらに、九〇年代末からはNHKの番組(「四国八十八か所 こころの旅」)などの影響もあって、四国遍路は空前のブームを迎える。特にここ数年は、雑誌で もよく特集が組まれ、「癒やし」や「自分探し」のために四国遍路に旅立つ若者の様子も紹介された。こうしたマスコミ報道がさらに多くの人々を四国遍路、特 に歩き遍路にいざなったといえるだろう。
    また、九八年ごろから愛媛県での活動を出発点として、四国各県で遍路道がはぐくんできた文化をユネスコの「世界文化遺産」へ登録しよう、という運動が広がっている。
    (中略)

    今回出版した『四国遍路の近現代 ─ 「モダン遍路」から「癒しの旅」まで』は、百年前から私たちが生きる現代までの四国遍路の「歩み」を紹介している。本書で、四国遍路の意外な側面をみなさんに知っていただければ幸いである。

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