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大大阪イメージ
橋爪節也 編著

  • 大阪春秋 08年7月号
  • 田野登氏評(日本民俗学会会員・文学博士

    美術史家である橋爪節也編著の『大大阪イメージ』が上梓された。都市民俗を研究する評者にとっても刺激的な好著が発表されたことに祝意を表する。
    (中略)
    タイトルからすれば美術史家による近代都市の「虚像」を列ねているのかと思いきや、そうでないことに気づかせられる。近代都市たるべき「大大阪」における 実像の探求に葛藤しているさまが読みとられる。意義の第ニ点は、「大大阪」再見である。今や死語に等しい「大大阪」から大阪市における旧市域とそれを囲続 する新市域を射程に入れて「大大阪」全体を叙述した点である。第三に、行政研究と芸術研究を重ね合わせた都市文化論が展開されている点である。「大大阪」 の及ぼす文化領域に関して美術、音楽、文芸といった多様な分野から光を当てた点である。大阪における都市文化再見の機会を与えている。
    (中略)
    都市大阪のDNAの発見は、この都市に暮らす者にとってのアイデンティティの発見でもある。該書は、随所に都市祭礼・風俗といった近代都市における世相を 読みとることのできる事象を多く取り上げている。該書は、都市生活者における心象の形成過程の論究から「大大阪」の実像に迫る機会を提供する好著と評価す る。
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