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四国遍路の近現代
森正人 著

  • 山と渓谷 06年6月号
  • お遍路さんも時代を反映

    四国のお遍路さんといえば、白装束に菅笠、金剛杖(わたしもこれで巡った)。が、「信仰的な現象」である四国遍路も時代背景や社会情勢によって様変 わりすると著者はとらえる。お遍路さんの服装、巡礼の方法から人々の受けとめ方まで、多くの資料から検証し、この百年の四国遍路を俯瞰したのが本書だ。
    かつては差別的に見られていたお遍路さんも、いまは観光、エクササイズ、あるいは「癒し」を目的に消費されるまでになった。興味深いのは1920年代すで にあった鉄道や自動車を使う「ハイカラ遍路」。当時も「信仰心が足りない」と批判を浴びたそうだが、そうか、レジャーとしての四国遍路はいまに始まったこ とではなかったのだ。
    「歩き遍路」が注目されている昨今だが、著者は、戦時中に歩く巡礼が推奨されたことを引いて、徒歩による巡礼のみが正しいという考え方に疑問を投じている。あらゆる交通手段を駆使してお遍路したわたしは少々ホッ。
    巡礼中もっとも頼りになって感じのよかった(行政が造ったものよりも)「へんろみち」の道標が個人による設置だと知って、感動するとともに少々複雑な気持ちになった。

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