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ナスカ 地上絵の謎
アンソニー・F・アヴェニ 著/増田義郎 監修/武井摩利 訳

  • ダ・ヴィンチ 06年7月号
  • いつ誰が何のために描いたのか?ナスカ地上絵の謎に迫る

    僕が小学生だった70年代、世界には謎が溢れていた。英国にネッシーが出たかと思えば、米国で超能力者がスプーンを曲げ、世界各地にUFOが飛来し た。いずれもワクワクさせられたが、同時にいずれも眉ツバものの情報ばかりだったのも事実。そんな中、遺跡情報だけはある程度の信頼があった。実際にモノ が残されていたからだ。イースター島のモアイ、英国のストーンヘンジ、そしてペルーのナスカ地上絵・・・。人知を超えた巨大な遺跡は「誰がいつ何のために 建てたのか」という謎がつきまとい、テレビで語られる怪しい解釈を超えて魅了した。ナスカの地上絵に関して、そんな長年の謎を丹念に検証していったのが、 この本だ。
    著者のアヴェニは米コルゲート大で古代文明と天文学の研究をする研究者。同書は、彼が75年からナスカの現地調査を開始し、四半世紀に及ぶ研究の成果をま とめたものだ。ナスカ地上絵は、砂漠化した大地から黒く酸化した礫片を横に押し分け、白い大地を露出させることで描かれている。ハチドリやシャチ、クモ、 渦巻きなどいくつもの種類があり、中には一辺が数百メートルに及ぶものもある。アヴェニは、過去のナスカ研究者の研究や推論(天文学との連携説など)を検 証するとともに、インカやマヤ文明などを含めた南米の歴史や人類学的な見地なども併せて、ナスカの謎に迫っていく。多面的な事実と学説からボトムアップ式 に推論を導いていく手法は、文字通りミステリーのようでもある。読み進むうちに、彼の地に行ってみたくなること請け合いだ。

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