『グレート・ギャツビー』の読み方
野間正二 著
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京都新聞 08年9月23日
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アメリカ文学の最高峰とされる「グレート・ギャツビー」を、野間正二・佛教大教授が徹底的に分析し、研究書「『グレート・ギャツビー』の読み方」としてまとめた。「グレート・ギャツビー」は最もアメリカらしい名作と評価され、今もさまざまな解釈がある。野間教授は「戦争が物語を解く重要な鍵」と指摘し、そ
の新たな魅力と実像に迫っている。
(中略)
夢見る能力を実感
野間教授は「語り手のニックは『宇宙のギザギザな果ての断崖』に打ち捨てられるという、孤独感や疎外感に悩まされているころ、ギャツビーに出会う。彼は五
年前の恋を成就するため全身全霊を傾けていた。生身の女性に夢を託して、夢の崩壊に殉じるような結末を迎える。つまり、ニックはギャツビーを通して、夢を
見る能力や希望を持つ能力のすばらしさを実感する。そして自身をギャツビーに投影させ、回復していく」と解説する。
だからこそ、主人公の名に「グレート」(偉大な)と名付けられているという。その後も、アメリカは第二次世界大戦やベトナム戦争、さらに今のイラク戦争などを経験していく。
「アメリカ文学において、戦争がつねに見え隠れする。人間破壊するのが戦争ならば、回復する力になり得るのが文学なのだろう。しかし、これは悲しい現実でもある」
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