夜の記憶
澤田愛子 著
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北日本新聞・中国新聞など 05年7月21日
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記憶の継承は人間の義務
「生還者のつらい記憶を私が日本人に伝えなければならないという使命を感じています」
ナチスによるユダヤ人迫害の事実を後世に伝えるため、ユダヤ人のホロコースト・サバイバー(虐殺からの生還者)にインタビューを重ね、このほど証言集「夜の記憶」(創元社)を出版した。「日本人が直接、ホロコースト・サバイバーからの証言を集めた唯一の本」だという。
一九九四年から十年間、富山医薬大医学部看護学科教授として生命倫理、終末期医療の研究に専念。九六年、初めてポーランドのアウシュビッツ収容所を訪れた。そこで「犠牲者の血と涙がにじんだ土地に立ち、言葉にできない、心が揺れ動かされる強烈な体験」をし、「自分で直接生存者の話を聴きたい」との思いに駆り立てられた。
しかし、ヨーロッパを探しても自らの悲惨な過去の体験を話してくれるユダヤ人は見つけられず、九八年からイスラエルの各地を訪ね歩いた。そして約三年間で生還者十五人にインタビューすることができ、十二人の証言を本にまとめた。
ガス室で殺された母親が夢に出てきて励ましてくれたことを、顔を真っ赤にして涙を流しながら語る男性のインタビューなど、「私も大泣きするのを必死にこらえていたこともありました」と振り返る。「ホロコーストの犠牲者たちを忘却のうちに二度も殺してはいけない。記憶を継承することは、人間の義務です」
現在、山梨医学部で看護師を目指す学生らに命の尊厳について教えている。名古屋市出身。
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