夜の記憶
澤田愛子 著
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日本経済新聞 05年7月3日
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第二次世界大戦の終結から六十年後の今年。大戦中のナチス・ドイツによる欧州ユダヤ人の大虐殺、「ホロコースト」を日本人の視点から取り上げた書籍の出版が続いている。
五月刊行の『夜の記憶』(創元社)は、山梨大学大学院の澤田愛子教授がまとめたホロコースト生還者十二人の証言集だ。若いころから『アンネの日記』などを愛読していた著者は、専門の看護・生命倫理分野の学術研究とは別に「民族がまること抹殺されようとした不条理さに関心を持ち続けていた」という。
出発点となったのは、一九九六年に欧州での学会の帰りに訪れたポーランド南部のアウシュビッツ収容所での体験だ。「とにかくじかに話を聞きたい」と多くの生還者が住むイスラエルに通い、九八年から二〇〇〇年まで直接取材した。
日々、ガス室送りへの恐怖にさらされながら生き延びた女性。戦後も、「なぜ、自分だけが生き残ってしまったのか」と悩み苦しむ男性‥‥。死と隣り合わせだった数々の人生に触れるうち、「平易な日本語で彼らの過去と現在を伝えたい」と感じたという。ホロコーストへの関心と理解を広げる狙いから、本書では反ユダヤ主義の歴史など、背景説明にも力を入れた。
(後略)
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