夜の記憶
澤田愛子 著
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朝日新聞(山梨版) 05年6月28日朝刊
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ナチスドイツにより強制収容所に送られたユダヤ人にインタビューした「夜の記憶 日本人が書いたホロコースト生還者の証言」(創元社)が出版された。山梨大学大学院医学工学総合研究部の澤田愛子教授が、ホロコースト生存者を取材し、生の声を一冊にまとめた。澤田教授は「悲劇を二度と繰り返さないためにも、日本でもホロコーストとその生存者の問題に関心が広がってほしい」と話している。
澤田教授は、生命倫理や終末期看護などを専門として研究。
ホロコースト生存者の研究を始めたのは、96年にポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所を訪れたことがきっかけ。ガス室などを実際に見て、「現場の秘めた記憶に触れ、人生観が変わるほどの衝撃を受けた」という。
その後は、ドイツや東欧各地にある強制収容所に足を運ぶと同時に、イスラエルを中心に生存者に直接証言を聞き、生存者がいまだに心理的な問題を抱えていることに着目した。
「夜の記憶」は3章で構成。1章ではナチス・ドイツがホロコーストを進めていった概略を説明。2章では、生存者がいまだ抱える問題を、心理的な面から解説している。
3章では、澤田教授が98年から00年にかけて取材した生存者12人の証言を、インタビュー形式で収録。当時の収容所の様子や、いかにして生き残ったかなどが、生々しく語られている。
生還者の1人、ハンナ・ピック・ホスラールさんは、アンネ・フランクと交わした会話を今も忘れない。「何も食べ物がないの」というアンネに、収容所の柵越しに食べ物を投げ込んだという。
澤田教授は、インタビューの中で印象に残った次の言葉を紹介している。
「ガス室に消えていった人の最期の言葉は、あなたは生き残って、ぜひこの事実が本当にあったのだということを後世の人に伝えてくださいというものでした」
価格は3200円で、主な書店で販売されている。
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