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モダン道頓堀探検
橋爪節也編著

  • 芸術新潮 05年10月号
  • 通人ぞろいの探検隊と大正時代の道頓堀へタイムスリップ!

    夜の道頓堀を徘徊する小林秀雄の頭の中で、突如モーツァルトが鳴り響いたのは昭和の初めのことらしい。大正半ばからその頃までの道頓堀へ、タイムスリップといきましょう。
    本書『モダン道頓堀探検』の案内役は、5人の探検隊員。道頓堀の近くに生まれ育ち、幼少時は「ぼんち」と呼ばれたヒゲの若旦那H氏を筆頭に、道頓堀五座や寄席の賑わい、名物料理、広告看板から公衆便所の変遷まで、それぞれの得意分野の薀蓄と新発掘のネタが、次から次へと披露される。
    そもそも探検隊結成のきっかけは、大正9年8月刊の、その名も「道頓堀」という月刊誌に載っていた詳細なイラストマップとの出会い。通りの南側を戎橋から東に進み、堺筋に出たところでUターン、道頓堀川に面した北側を戎橋に戻ってくるまでの街並みが、事細かに活写されていた。この絵地図を辿って、黄金時代の道頓堀界隈を気ままに「道ブラ」しようとなった次第。
    カフェ・パウリスタで宇野浩二に声をかけてきたのは、洋式の婦人帽に赤いリボン、その先に人形の首を2、3個つけた日本画家・野長瀬晩花(男です、念のため)。初代鴈治郎の拠点だった浪花座では、西洋の拳闘家と日本の柔道家の異種格闘技が繰り広げられていた。モダン道頓堀の奥は深し。
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