メールマガジン2月号

創元社NEWS＊2024年2月号

さいきん趣味で、1960年代後半から1970年代中盤にかけての靖国法案関連のメディア報道を調べているのですが、なかなか勉強になります。いま議論されていることの元型のようなものが論じられていたり、いまでは右派寄りの人たちが論じていることを当時は左派寄りの人たちが論じていたり（あるいはその逆）。このあたり、卒論などで歴史資料をショボショボと読む作業をされたことのある方には似た経験もあるかと思いますが、自分たちで思っているよりも、私たちの言葉は、過去の誰かの反復に過ぎなかったり、あるいはただの借り物だったりする。そんなことをあらためて実感します。
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国会図書館デジタルコレクションの整備にともない、資料にあたるという体験もすこしずつ変わっていく過渡期にあります。そうしたなかでも、過去を捉え返すという営みは、それが「現在との対話」であるがゆえに、AIに頼り切ることのできない余地がつねにあるように思います。朝に顔を洗い夜に歯を磨くように、あるいは村上春樹が「文化的雪かき」と読んだ作業のように、何度も汗をかいて繰り返すしかない何かなのかもしれません。つぎの時代を生きる誰かに少しでもマシな言葉を残せるよう、丁寧に雪かきできればと思います。
＊
そんなこんなで（どんなこんなで？）、今月のメルマガをお送りいたします。
（A）

◇編集者の裏×裏・・・イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
◇新刊＆近刊情報・・・絶賛発売中＆これから発売予定の新刊ラインナップ。
◇営業部だより・・・営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
◇最近出た書評・・・新聞や雑誌に掲載された創元社書籍の書評情報。
◇セミナー情報・・・創元社が主催するセミナー・イベントのお知らせ。

╋ 編集者の裏×裏（ウラジジョウ）
イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
　

　
養成課程では学べなかった心理職の仕事
医療分野で働く先輩たちが伝えたい大切なこと【2/8発売】
大阪府臨床心理士会医療保健部会編　定価2,750円（税込）
>>商品ページはこちら

本書は心理職が多職種からなるチームの中で連携して働くための実践に役立つ知識や技術を伝え、若手心理職の悩みや疑問に先輩心理職が自身の実体験も元にして応える。さらに、心理職一人一人の現在と未来のキャリアを応援する。

担当編集者より

大阪の臨床心理士たち総勢18名が結集して書いたこの本は、著者らが10年ほど前から続けてきた新人心理職向けの研修の内容を元にしています。読んでいると、著者自身が若手時代から現在までに失敗したり悩んだりしながら試行錯誤してきた体験から得られた学びを、それぞれの現場で今もがいて奮闘している人たちに少しでも役立ててもらえたら…という熱意がひしひしと伝わってきます。また、研修会で参加者から実際に寄せられた質問に答えるなど、心理職の皆さんの切実な疑問や悩みに本音で向き合う本になっています。
＊
私自身は実際の研修会に参加したことはありませんが、原稿やゲラを読んでいると、先輩心理士たちが目の前の後輩に（時には過去の自分を重ねながら）語りかける声が聞こえるような気がしました。著者たちの文章（声）からは、それぞれの個性やクセも垣間見えて、そこもこの本の面白さだと思います。ちなみに、各章の始まりと終わりにはその章の著者の似顔絵がついています。
＊
各章の終わりには、それぞれの著者の思い入れのあるおすすめの本をコメントつきで挙げてもらいました。本書の次に読みたい本もたくさん見つかると思います。
（Y.S）

╋ 新刊＆近刊情報
絶賛発売中＆これから発売予定の新刊ラインナップ。

創元アーカイブス　ユングと共時性【1/17発売】
Ｉ・プロゴフ著 / 河合隼雄訳 / 河合幹雄訳　定価3,850円（税込）

図説日本の城と城下町⑨　熊本城【1/17発売】
稲葉継陽監修　定価1,650円（税込）

アルケミスト双書　タロットの美術史〈1〉　愚者・奇術師【1/23発売】
鏡リュウジ著　定価1,650円（税込）

《中学生日記》のメディア史　自主性を演じるドラマ【2/14発売】
王令薇著　定価3,850円（税込）

イラスト授業シリーズ　　ひと目でわかる　アートのしくみとはたらき図鑑【2/14発売】池上英洋監修 / 岡本由香子訳　定価4,400円（税込）

対話と協力を生み出す協同学習　一人ひとりをケアする授業づくり【1/17発売】
佐藤曉著　定価2,200円（税込）

近代日本メディア議員列伝・7巻　三木武吉の裏表　輿論指導か世論喚起か【1/17発売】
赤上裕幸著　定価2,970円（税込）

アルケミスト双書　タロットの美術史〈2〉　女教皇・女帝【1/23発売】
鏡リュウジ著　定価1,650円（税込）

東京の地下鉄相互直通ガイド［第2版］【2/14発売】
所澤秀樹著 / 来住憲司著　定価2,420円（税込）

50の傑作絵画で見る　英雄と伝説の世界【1/17発売】
ジェラール・ドゥニゾ著 / 遠藤ゆかり訳　定価4,950円（税込）

アルケミスト双書　タロットの美術史　第1期～第4期：全12巻セット【1/23発売】
鏡リュウジ著　定価19,800円（税込）

アルケミスト双書　タロットの美術史〈3〉　皇帝・教皇【1/23発売】
鏡リュウジ著　定価1,650円（税込）

シリーズ戦争学入門　核兵器【2/14発売】
ジョセフ・M・シラキューサ著 / 栗田真広訳　定価2,640円（税込）

╋ 営業部だより
営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
　

唐突ですが、皆さんは現状のゴジラシリーズ最新作「ゴジラ-1.0」はご覧になりましたか？私はゴジラ映画、というか怪獣映画全般が好きで初日に観に行きました。ネタバレしない程度の感想では、ゴジラを始めとした特撮演出に関しては良く出来てますが、主人公のキャラを気に入るかどうかで評価が割れる感じです。個人的には丁寧な心理描写もありとても良かったです。
さて、日本では評価が割れる今作ですが、アメリカでは両手を挙げた大ヒットだそうです。そして何故そうなったかという考察をとある記事でやっていたのですが、曰く
「海外だから戦後日本に詳しくなく、考察にノイズが入らずに純粋に人間ドラマを評価された結果ではないか」
という意見でした。
自国映画だからこそ当事国目線だと粗が目立つというのは今に始まったことではなく、日本ではあまり評価されない、或いは知名度が低い映画が海外では大ヒット、という現象は実は割とあったりします。
皆さんも毛色が違った映画を観てみたいと思われた時に、この手の映画を探してみるのも面白いかもしれませんよ。
（MK）

╋ 最近出た書評
新聞や雑誌に掲載された創元社書籍の書評情報。

・『ゼクシィ』のメディア史／日本経済新聞（著者インタビュー）
>>書評はこちら

・まちかどガードパイプ図鑑／日本経済新聞
>>書評はこちら

╋ セミナー情報
創元社が主催するセミナー・イベントのお知らせ。

【オンラインセミナー】いたみを抱えた人の話を聞く

【オンラインセミナー】パーソン・センタード・セラピーの視点で学ぶ
事例検討ワークショップ　2024年・春

【オンラインセミナー】いたみを抱えた人の話を聞く

【オンラインセミナー】心理面接をアップデートする

【オンラインセミナー】
　スクールカウンセリングのこれから、スクールカウンセラーのこれから
　～『生徒指導提要』の改訂が示す子どもの支援

　

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