メールマガジン12月号

創元社NEWS＊2023年12月号

この度、弊社から『まちかどガードパイプ図鑑』という本が刊行されます。日本全国の珠玉のガードパイプを収録！という謎の売り文句の本書ですが、そのゲラを読んだ社内の人間は、異口同音に「この本めちゃめちゃいい…！」「でも、たぶん私しか分からない…」というなんとも言えない感情に包まれます。
果たして興味を持ってもらえる人がこの国に何人いるのか、とときおり不安にもなるのですが、ふと自宅の本棚をながめると『団地の給水塔大図鑑』『コープこうべ大図鑑』『地下街への招待　［特集］金沢都ホテル地下街』といったエッジの効いたタイトルの本が並んでいることに気づきます。
同好の人たちはきっといる。そんな願いを込めつつ本書を送り出せればと思います。それでは今月のメルマガをお送りいたします。（A）

kantogen202412

◇編集者の裏×裏・・・イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
◇新刊＆近刊情報・・・絶賛発売中＆これから発売予定の新刊ラインナップ。
◇営業部だより・・・営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
◇最近出た書評・・・新聞や雑誌に掲載された創元社書籍の書評情報。
◇セミナー情報・・・創元社が主催するセミナー・イベントのお知らせ。

╋ 編集者の裏×裏（ウラジジョウ）
イチオシの新刊を担当編集者の声とともにご紹介。
　

まちかどガードパイプ図鑑【12/11発売】
岡元大著　定価1,870円（税込）
>>詳細はこちら

道路にあるパイプ製の柵、通称ガードパイプ。日本全国のおもしろくて個性的なデザインのガードパイプ200種を300点の写真でを紹介する街歩き好き必携のハンドブック。

担当編集者より

どんなものにもマニアがいるもので、本書の著者岡元大さんは10年以上もずっとガードパイプを撮り歩いている。ガードパイプとはつまり道路に設置されたパイプ製の柵なので、街を歩いては道端の柵をパシャパシャと撮る、それを10年もやっているなんて、敬意を表して言うが変な人でしかない。
一方そんなものには目を向けることもなくボンヤリ暮らしてきた私だが、のちに岡元さんと一緒に「ガードパイプ図鑑」をつくることになる。そのはじまりはなんだったか。
＊
2021年の夏、私は山形県を訪れていた。そして、車窓からぼんやりと街を眺めているとやたらさくらんぼを目にしたのだ。マンホール、欄干、街灯、側溝の絵柄まで、いたるところにさくらんぼ。
なんてかわいい街なの！と思っていると歩道の柵もさくらんぼモチーフだと気がついた。それもまたとびきりかわいい、実の部分を赤で、ヘタと葉の部分を緑で着色した超絶ポップな柵だった。これが私のファーストガードパイプ。
もしかしたら全国に同じようなご当地のおもしろい柵があり、集めたら図鑑にできるんじゃないかと妄想が膨らんだのを覚えている。調べてみるとすでに博士級の岡元さんの存在を知り、そこからガードパイプ本の構想が始まっていった。
＊
本づくりをするなかで岡元さんと話をしたり、一緒に街を歩いたりしているうちに分かったことの一つは、派手なガードパイプだけがおもしろい訳ではなく、特徴がないようなガードパイプにも実は個性があるということだった。
本書では約200種のガードパイプを紹介しているが、なかには一見おもしろみのないものもあるし、説明されてもよくわからないモチーフもある。しかし、そんなことを愛をもって語る岡元さんの生き生きとした姿が私は大好きだ。できるなら読者のみなさん全員本人と会って欲しいくらいだが、本にもその魅力がたっぷり詰まっているのでぜひご堪能いただきたい。
＊
さて、私のファーストガードパイプさくらんぼだが、今まで柵なんて意識もしなかった人間の視界に、なぜ入り込んだのか。それは「目立っていた」からである。ボーッとしていても目につくくらい派手だったのだ。
しかし皮肉なことに、そんな派手なガードパイプは劣化したら違う型に取り替えられてしまう絶滅危惧種だということも、本づくりによって知ることになった。現状の景観ガイドラインを調べてみると、ガードパイプなどの道路附属物は、落ち着いた色彩と景観に馴染むデザインが推奨されていたのだ。思い返せばさくらんぼガードパイプはまさにその逆をいっている。派手で目立っていたからこそ存在に気づけた訳だが、ガイドライン的には「煩雑な印象」と判断されてしまうらしい。
当たり前のように存在するものがそこに在るということは、実は当たり前じゃない。そんなことも考えさせられる一冊になった。
＊
ちなみに岡元さんのファーストガードパイプは東京都北区の北型だそう。漢字の「北」をそのままモチーフにした、これもまた絶大なインパクトを誇るガードパイプだ。さくらんぼと北型。どちらも本書でチェック、できればさらに現物を見て感動を共有してもらえると嬉しい。
（ym）

╋ 新刊＆近刊情報
絶賛発売中＆これから発売予定の新刊ラインナップ。

イラスト授業シリーズ　ひと目でわかる　政治のしくみとはたらき図鑑【11/8発売】
吉田徹監修 / 豊島実和訳　定価3,960円（税込）

夜の記憶　オンデマンド版【11/8発売】
澤田愛子著　定価3,960円（税込）

アルケミスト双書　折り紙と数学　折って考える美しい形【11/14発売】
トゥンケン・ラム著 / 山崎正浩訳　定価1,320円（税込）

創元美術史ライブラリー　イタリア・ルネサンス　古典復興の萌芽から終焉まで【11/14発売】
池上英洋著　定価2,970円（税込）

近代日本メディア議員列伝・5巻　中野正剛の民権　狂狷政治家の矜持【12/13発売】
白戸健一郎著　定価2,970円（税込）

遠くから見たら島だった【12/13発売】
ブルーノ・ムナーリ著 / 関口英子訳　定価2,640円（税込）

大切な人を亡くしたあなたへ　自分のためのグリーフケア【11/8発売】
坂口幸弘著　定価1,760円（税込）

写真でみる　紫式部の有職装束図鑑【11/14発売】
仙石宗久著　定価3,520円（税込）

近代日本メディア議員列伝・2巻　降旗元太郎の理想　名望家政治から大衆政治へ【11/14発売】
井上義和著　定価2,970円（税込）

増補愛蔵版　美しいアンティーク鉱物画の本【11/14発売】
山田英春編　定価3,520円（税込）

「科学のキホン」シリーズ4　イラストでわかるやさしい解剖学【12/13発売】
ケン・アシュウェル著 / 野田泰子監訳 / 久保美代子訳　定価3,080円（税込）

住まいの建築史　近代日本編【12/13発売】
内田青蔵著 / 大和ハウス工業総合技術研究所著 / 小野吉彦写真　定価3,520円（税込）

シリーズ「あいだで考える」創刊5冊セット【11/8発売】
頭木弘樹戸谷洋志奈倉有里田中真知坂上香著　定価7,920円（税込）

創元世界史ライブラリー　マリア・テレジアとハプスブルク帝国　複合君主政国家の光と影【11/14発売】
岩﨑周一著　定価2,750円（税込）

叢書パルマコン・ミクロス06　前田久吉、産経新聞と東京タワーをつくった大阪人【11/14発売】
松尾理也著　定価2,750円（税込）

まく！まく？　おなじよみで、ちがういみ【12/11発売】
市原淳著　定価1,540円（税込）

「科学のキホン」シリーズ　全4巻セット【12/13発売】
カート・ベイカーほか著 / 東辻千枝子ほか訳　定価12,320円（税込）

╋ 営業部便り
営業部員がお届けする、本が読まれる現場からの報告。
　

急激に寒くなってきた今日この頃。
何を着て走ろうかと悩む。走る時間帯にもよるのだが、私は結構朝早くから走るので薄すぎると超寒いし、厚手すぎると汗がすごいし、その結果逆に体が冷えて硬直してしまう。
なので、最初は重ね着してのスタートで汗が出てきたら脱いで、リュックの中に入れていく。
でも出来る限り荷物は最少でいきたいので、生地の分厚い上着でリュックをパンパンにしたくないのも事実。荷が重くてスピードに負担がかかるのも嫌だし。でも12月中旬以降の朝は本当に寒い。本番では荷物の負担のことも考えて厚着ができない。
しかし、ここ直近の大阪マラソンは2月下旬の超寒い時期なのでほんとうに着るものに困る。昨年は本当に寒くて。体が悴みすぎて、ウインドブレーカーも脱げず、そして思うように体が動かず、トイレも頻繁で、タイムも悪すぎて、それがトラウマで今年は何を着て走るか、今から悩み中の今日この頃です。
意外とこういうことで悩むランナーもいるのです。
じゃあ走るなよと言わないでくださいね。
（TH）

╋ 最近出た書評
新聞や雑誌に掲載された創元社書籍の書評情報。

・怪異と妖怪のメディア史／朝日新聞
>>書評はこちら

・校正のこころ／産経新聞
>>書評はこちら

・くるくるまわる　回文ニュース／読売新聞
>>書評はこちら

・前田久吉、産経新聞と東京タワーをつくった大阪人／産経新聞
>>書評はこちら

╋ セミナー情報
創元社が主催するセミナー・イベントのお知らせ。

【オンラインセミナー】認知行動療法で「なりたい自分」になる

【オンライン開催】統計嫌いのための心理統計セミナー
～統計のキホンと統計手法の選び方～［全2回］

【オンラインセミナー】いたみを抱えた人の話を聞く

【オンラインセミナー】パーソン・センタード・セラピーの視点で学ぶ
事例検討ワークショップ　2024年・春

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